にひどい目に逢ひました。あれでもう沢山です。運命が二度また私を同じやうな目に会はさうとしたつて、それが辛抱できるものですか。私は自身に落ちかかつてくるものを、私の手でちよつと跳ね返したに過ぎません。平尾には気の毒ですがね」
「恋人であり、おまけに敵である」とストリンドベリイは言ひました。文字通りに平尾氏のそれは恋妻であり、また仇敵でありました。
[#地から1字上げ]〔大正15[#「15」は縦中横]年刊『太陽は草の香がする』〕
底本:「泣菫随筆」冨山房百科文庫、冨山房
1993(平成5)年4月24日第1刷発行
1994(平成6)年7月20日第2刷発行
底本の親本:「太陽は草の香がする」
1926(大正15)年発行
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2008年5月16日作成
青空文庫作成ファイル:
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