た瞿稼軒は、側に寄つてためつすがめつ石の形相を見てゐたが、やがて襟を正して丁寧にお辞儀をした。
『ここでお前さんに出逢つたのは、ほんたうに幸福だつた。どうか永く側においてもらひたいものだ。』
彼は人に話しかけるやうにいつた。そしていつまで経つても立上らうとしなかつた。
底本:「日本の名随筆」作品社
1990(平成2)年2月25日第1刷発行
1996(平成8)年8月25日第5刷発行
底本の親本:「樹下石上」創元社
1931(昭和6)年10月発行
入力:門田裕志
校正:高柳典子
2005年5月4日作成
青空文庫作成ファイル:
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