つた。
手品師め。手品には失敗したが、巧い事を言つたもので、少将と蕃山と左源太とは、各自《めいめい》肚のなかでは、「その偉い器量人は多分|乃公《わし》だな。」と思つたらしかつた。この人達にだつて自惚《うぬぼれ》は相当にあつたものだ。金魚は釣れなかつたが、手品師は素晴しい物を三つ釣り上げてゐる。
底本:「日本の名随筆 別巻7 奇術」作品社
1991(平成3)年9月20日第1刷発行
底本の親本:「薄田泣菫全集 第三巻」創元社
1938(昭和13)年10月
入力:葵
校正:柳沢成雄
2001年8月24日公開
2005年1月1日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全3ページ中3ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
薄田 泣菫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング