熊と獅子を取り巻いて彫《ほ》ってある。「ここにあるのは Acorns でこれは Ambrose の事です。こちらにあるのが Rose で Robert を代表するのです。下の方に忍冬《にんどう》が描《か》いてありましょう。忍冬は Honeysuckle だから Henry に当るのです。左りの上に塊《かたま》っているのが Geranium でこれは G……」と云ったぎり黙っている。見ると珊瑚《さんご》のような唇《くちびる》が電気でも懸《か》けたかと思われるまでにぶるぶると顫《ふる》えている。蝮《まむし》が鼠《ねずみ》に向ったときの舌の先のごとくだ。しばらくすると女はこの紋章の下に書きつけてある題辞を朗《ほが》らかに誦《じゅ》した。
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Yow that the beasts do wel behold and se,
May deme with ease wherefore here made they be
Withe borders wherein ……………………………………
4 brothers' names who list to serche the g
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