だ。ちっと君から注意したらよかろうって、さんざん叱られたんです」
「まあどうも。どうしてそんな事が知れましたんでしょう」
「そりゃ、会社なんてものは、それぞれ探偵が届きますからね」
「へえ」
「なに道也なんぞが、何をかいたって、あんな地位のないものに世間が取り合う気遣《きづかい》はないが、課長からそう云われて見ると、放《ほう》って置けませんからね」
「ごもっともで」
「それで実は今日は相談に来たんですがね」
「生憎《あいにく》出まして」
「なに当人はいない方がかえっていい。あなたと相談さえすればいい。――で、わたしも今途中でだんだん考えて来たんだが、どうしたものでしょう」
「あなたから、とくと異見《いけん》でもしていただいて、また教師にでも奉職したら、どんなものでございましょう」
「そうなればいいですとも。あなたも仕合《しあわ》せだし、わたしも安心だ。――しかし異見《いけん》でおいそれと、云う通りになる男じゃありませんよ」
「そうでござんすね。あの様子じゃ、とても駄目でございましょうか」
「わたしの鑑定じゃ、とうてい駄目だ。――それでここに一つの策があるんだが、どうでしょう当人の方から
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