した。その時御米は易者が返事をする前に、また考えるだろうと思った。ところが彼はまともに御米の眼の間を見詰めたまま、すぐ
「あなたは人に対してすまない事をした覚《おぼえ》がある。その罪が祟《たた》っているから、子供はけっして育たない」と云い切った。御米はこの一言《いちげん》に心臓を射抜かれる思があった。くしゃりと首を折ったなり家《うち》へ帰って、その夜は夫の顔さえろくろく見上げなかった。
御米の宗助に打ち明けないで、今まで過したというのは、この易者の判断であった。宗助は床の間に乗せた細い洋灯《ランプ》の灯《ひ》が、夜の中に沈んで行きそうな静かな晩に、始めて御米の口からその話を聞いたとき、さすがに好い気味はしなかった。
「神経の起った時、わざわざそんな馬鹿な所へ出かけるからさ。銭《ぜに》を出して下らない事を云われてつまらないじゃないか。その後もその占《うらない》の宅《うち》へ行くのかい」
「恐ろしいから、もうけっして行かないわ」
「行かないがいい。馬鹿気ている」
宗助はわざと鷹揚《おうよう》な答をしてまた寝てしまった。
十四
宗助《そうすけ》と御米《およね》とは仲
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