大人《おとな》しい、能《よ》く出来ていると思います。われわれは実に乱暴であった。その悪戯《いたずら》の例はいくらもあります。それを御話するために此処へ登ったんじゃないが、如何にわれわれが悪かったかということを懺悔《ざんげ》するために御話するのであるから、その真似をしちゃいけませんよ。現に彼処《あすこ》に教場に先生の机がある。先ず私たちは時間の合間《あいま》合間に砂糖わりの豌豆豆《えんどうまめ》を買って来て教場の中で食べる。その豌豆豆が残るとその残った豌豆豆を先生の机の抽斗《ひきだし》の中に入れて置く。歴史の先生に長沢市蔵という人がいる。われわれがこれを渾名《あだな》してカッパードシヤといっている。何故カッパードシヤというかというと、なんでもカッパードシヤとか何とかいう希臘《ギリシャ》の地名か何かある。今は忘れてしまいましたが、希臘の歴史を教える時、その先生がカッパードシヤカッパードシヤと一時間の内幾回となく繰り返す。それでカッパードシヤという渾名が付いた。この長沢先生の時間と覚えておりますが、その先生がカッパードシヤカッパードシヤとボールドへ書くので、そのカッパードシヤを書こうとしてチ
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