た切れ切れになった。
「万一……もしそんな事があると……岡本の叔父に対しても……叔母に対しても……面目《めんぼく》なくて、合わす顔がなくなるんです。……それでなくっても、あたしはもう秀子さんなんぞから馬鹿にされ切っているんです。……それをあなたは傍《そば》で見ていながら、……すまして……すまして……知らん顔をしていらっしゃるんです」
津田は急に口を開いた。
「お秀がお前を馬鹿にしたって? いつ? 今日お前が行った時にかい」
津田は我知らずとんでもない事を云ってしまった。お延が話さない限り、彼はその会見を知るはずがなかったのである。お延の眼ははたして閃《ひら》めいた。
「それ御覧なさい。あたしが今日秀子さんの所へ行った事が、あなたにはもうちゃんと知れているじゃありませんか」
「お秀が電話をかけたよ」という返事がすぐ津田の咽喉《のど》から外へ滑《すべ》り出さなかった。彼は云おうか止《よ》そうかと思って迷った。けれども時に一寸《いっすん》の容赦《ようしゃ》もなかった。反吐《へど》もどしていればいるほど形勢は危《あや》うくなるだけであった。彼はほとんど行きつまった。しかし間髪《かんはつ》を
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