語を継《つ》いだ。
「じゃ今どうしていらっしゃるか、御存知ないでしょう」
「まるで知りません」
「まるで知らなくっていいの」
「よくないったって仕方がないじゃありませんか。もうよそへ嫁に行ってしまったんだから」
「清子さんの結婚の御披露《ごひろう》の時にあなたはおいでになったんでしたかね」
「行きません。行こうたってちょっと行き悪《にく》いですからね」
「招待状は来たの」
「招待状は来ました」
「あなたの結婚の御披露の時に、清子さんはいらっしゃらなかったようね」
「ええ来やしません」
「招待状は出したの」
「招待状だけは出しました」
「じゃそれっきりなのね、両方共」
「無論それっきりです。もしそれっきりでなかったら問題ですもの」
「そうね。しかし問題にも寄《よ》り切りでしょう」
 津田には夫人の云う意味がよく解らなかった。夫人はそれを説明する前にまたほかの道へ移った。
「いったい延子さんは清子さんの事を知ってるの」
 津田は塞《つか》えた。小林を研究し尽した上でなければ確《しか》とした返事は与えられなかった。夫人は再び訊《き》き直した。
「あなたが自分で話した事はなくって」
「ありゃし
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