んはおおかた基督教がお嫌《きら》いなんでしょう」
「いいえ好きなのよ。だからお願いするのよ。だから昨日のような気高《けだか》い心持になって、この小さいお延を憐《あわ》れんでいただきたいのよ。もし昨日のあたしが悪かったら、こうしてあなたの前に手を突いて詫《あや》まるから」
 お延は光る宝石入の指輪を穿《は》めた手を、お秀の前に突いて、口で云った通り、実際に頭を下げた。
「秀子さん、どうぞ隠さずに正直にして下さい。そうしてみんな打ち明けて下さい。お延はこの通り正直にしています。この通り後悔しています」
 持前の癖を見せて、眉《まゆ》を寄せた時、お延の細い眼から涙が膝《ひざ》の上へ落ちた。
「津田はあたしの夫です。あなたは津田の妹です。あなたに津田が大事なように、津田はあたしにも大事です。ただ津田のためです。津田のために、みんな打ち明けて話して下さい。津田はあたしを愛しています。津田が妹としてあなたを愛しているように、妻としてあたしを愛しているのです。だから津田から愛されているあたしは津田のためにすべてを知らなければならないのです。津田から愛されているあなたもまた、津田のために万《よろ》ずを
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