と寄ってたかってその破裂を料理した始末、これらの段取を、不断から一貫して傍《はた》の人の眼に着く彼女の性格に結びつけて考えると、どうしても無事に納まるはずはなかった。大なり小なり次の波瀾《はらん》が呼び起されずに片がつこうとは、いかに自分の手際に重きをおくお延にも信ぜられなかった。
 だから彼女は驚ろいた。座に着いたお秀が案に相違していつもより愛嬌《あいきょう》の好い挨拶《あいさつ》をした時には、ほとんどわれを疑うくらいに驚ろいた。その疑いをまた少しも後へ繰り越させないように、手抜《てぬか》りなく仕向けて来る相手の態度を眼の前に見た時、お延はむしろ気味が悪くなった。何という変化だろうという驚ろきの後から、どういう意味だろうという不審が湧《わ》いて起った。
 けれども肝心《かんじん》なその意味を、お秀はまたいつまでもお延に説明しようとしなかった。そればかりか、昨日病院で起った不幸な行《ゆ》き違《ちがい》についても、ついに一言《ひとこと》も口を利《き》く様子を見せなかった。
 相手に心得があってわざと際《きわ》どい問題を避けている以上、お延の方からそれを切り出すのは変なものであった。第一好
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