いくらでもあったが、結果はいつでも同じ事に帰着した。
次には堀その人が問題であった。お延から見たこの主人は、この家《うち》に釣り合うようでもあり、また釣り合わないようでもあった。それをもう一歩進めていうと、彼はどんな家へ行っても、釣り合うようでもあり、釣り合わないようでもあるというのとほとんど同じ意味になるので、始めから問題にしないのと、大した変りはなかった。この曖昧《あいまい》なところがまたお延の堀に対する好悪《こうお》の感情をそのままに現わしていた。事実をいうと、彼女は堀を好いているようでもあり、また好いていないようでもあった。
最後に来《きた》るお秀に関しては、ただ要領を一口でいう事ができた。お延から見ると、彼女はこの家の構造に最も不向《ふむき》に育て上げられていた。この断案にもう少しもったいをつけ加えて、心理的に翻訳すると、彼女とこの家庭の空気とはいつまで行っても一致しっこなかった。堀の母とお秀、お延は頭の中にこの二人を並べて見るたびに一種の矛盾を強《し》いられた。しかし矛盾の結果が悲劇であるか喜劇であるかは容易に判断ができなかった。
家と人とをこう組み合せて考えるお延の
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