間の説明を伺うより、今ここで拝見しただけで、私が勝手に判断する方が、かえってよく解るように思われますから、私はもう何《なん》にも伺いません。しかし私には自分を説明する必要がまだあります。そこは是非聴いていただかなければなりません」
 お延はずいぶん手前勝手な女だと思いながら黙っていた。しかし初手《しょて》から勝利者の余裕が附着している彼女には、黙っていても大した不足はなかった。
「兄さん」とお秀が云った。「これを見て下さい。ちゃんと紙に包んであります。お秀が宅《うち》から用意して持って来たという証拠にはなるでしょう。そこにお秀の意味はあるのです」
 お秀はわざわざ枕元の紙包を取り上げて見せた。
「これが親切というものです。あなた方にはどうしてもその意味がお解りにならないから、仕方なしに私が自分で説明します。そうして兄さんが兄さんらしくして下さらなくっても、私は宅から持って来た親切をここへ置いて行くよりほかに途《みち》はないのだという事もいっしょに説明します。兄さん、これは妹の親切ですか義務ですか。兄さんは先刻《さっき》そういう問を私におかけになりました。私はどっちも同《おんな》じだと云
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