よ」とお秀が云い出した。嫂《あによめ》に対して何とか説明しなければならない位地《いち》に追いつめられた彼女は、こう云いながら腹の中でなおの事その嫂を憎《にく》んだ。彼女から見たその時のお延ほど、空々《そらぞら》しいまたずうずうしい女はなかった。
「ええ良人《うち》は強情よ」と答えたお延はすぐ夫の方を向いた。
「あなた本当に強情よ。秀子さんのおっしゃる通りよ。そのくせだけは是非おやめにならないといけませんわ」
「いったい何が強情なんだ」
「そりゃあたしにもよく解《わか》らないけれども」
「何でもかでもお父さんから金を取ろうとするからかい」
「そうね」
「取ろうとも何とも云っていやしないじゃないか」
「そうね。そんな事おっしゃるはずがないわね。またおっしゃったところで効目《ききめ》がなければ仕方がありませんからね」
「じゃどこが強情なんだ」
「どこがってお聴《き》きになっても駄目《だめ》よ。あたしにもよく解らないんですから。だけど、どこかにあるのよ、強情なところが」
「馬鹿」
 馬鹿と云われたお延はかえって心持ち好さそうに微笑した。お秀はたまらなくなった。
「兄さん、あなたなぜあたしの持っ
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