に、二人の間に割り込まなければならなかった。彼女は喧嘩《けんか》の相手を自分に引き受けようとした。
「秀子さんの方へもお父さまから何かお音信《たより》があったんですか」
「いいえ母から」
「そう、やっぱりこの事について」
「ええ」
お秀はそれぎり何にも云わなかった。お延は後をつけた。
「京都でもいろいろお物費《ものいり》が多いでしょうからね。それに元々こちらが悪いんですから」
お秀にはこの時ほどお延の指にある宝石が光って見えた事はなかった。そうしてお延はまたさも無邪気らしくその光る指輪をお秀の前に出していた。お秀は云った。
「そういう訳でもないんでしょうけれどもね。年寄は変なもので、兄さんを信じているんですよ。そのくらいの工面《くめん》はどうにでもできるぐらいに考えて」
お延は微笑した。
「そりゃ、いざとなればどうにかこうにかなりますよ、ねえあなた」
こう云って津田の方を見たお延は、「早くなるとおっしゃい」という意味を眼で知らせた。しかし津田には、彼女のして見せる眼の働らきが解っても、意味は全く通じなかった。彼はいつも繰り返す通りの事を云った。
「ならん事もあるまいがね、おれに
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