そうしてたとい自分は解らなくっても、お前なら後からいろいろ云ってくれる事があるに違ないと思い込んでいるんだ」
「じゃ最初からそうおっしゃれば、あたしだってその気で行くのに」
「ところがまたそれは厭《いや》だというんだ。是非黙っててくれというんだ」
「なぜでしょう」
お延はちょっと叔母の方を向いた。「きまりが悪いからだよ」と答える叔母を、叔父は遮《さえぎ》った。
「なにきまりが悪いばかりじゃない。成心《せいしん》があっちゃ、好い批評ができないというのが、あいつの主意なんだ。つまりお延の公平に得た第一印象を聞かして貰いたいというんだろう」
お延は初めて叔父に強《し》いられる意味を理解した。
六十六
お延から見た継子は特殊の地位を占めていた。こちらの利害を心にかけてくれるという点において、彼女は叔母に及ばなかった。自分と気が合うという意味では叔父よりもずっと縁が遠かった。その代り血統上の親和力や、異性に基《もとづ》く牽引性《けんいんせい》以外に、年齢の相似から来る有利な接触面をもっていた。
若い女の心を共通に動かすいろいろな問題の前に立って、興味に充《み》ちた眼を
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