こんな事で、二人の間《ま》に優劣をつける気楽な叔父を、お住とお延が馬鹿にして冷評《ひやか》した。
「ねえ、叔母さんだってそのくらいの事ならたいてい見当がつくわね」
「お前も御賞《おほめ》にあずかったって、あんまり嬉《うれ》しくないだろう」
「ええちっともありがたかないわ」
 お延の頭に、一座を切り舞わした吉川夫人の斡旋《あっせん》ぶりがまた描《えが》き出《いだ》された。
「どうもあたしそうだろうと思ったの。あの奥さんが始終《しじゅう》継子さんと、それからあの三好さんて方《かた》を、引き立てよう、引き立てようとして、骨を折っていらっしゃるんですもの」
「ところがあのお継と来たら、また引き立たない事|夥《おびただ》しいんだからな。引き立てようとすれば、かえって引き下がるだけで、まるで紙袋《かんぶくろ》を被《かぶ》った猫見たいだね。そこへ行くと、お延のようなのはどうしても得《とく》だよ。少くとも当世向《とうせいむき》だ」
「厭《いや》にしゃあしゃあしているからでしょう。何だか賞《ほ》められてるんだか、悪く云われてるんだか分らないわね。あたし継子さんのようなおとなしい人を見ると、どうかし
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