に延びて行く。
 支那人の馬車が来た。屋根に蒲鉾形《かまぼこがた》の丸味を取った棺《かん》のようなもののなかに、髪を油で練固《ねりかた》めた女が坐っている。長柄《ながえ》は短いが、車の輪は厚く丈夫なものであった。云うまでもなく騾馬《らば》に引かしている。まず日本の昔に流行《はや》った牛車《うしぐるま》の小ぢんまりしたものと思えば差支《さしつか》えないが、見たところは牛車よりもかえって雅《が》である。その代り乗ってる人間は苦しいそうだ。余はこの車のごろごろ行くところを見て、※[#「車+兒」、第4水準2−89−65]《げい》たり※[#「車+兀」、555−3]《げつ》たりと形容したくなった。※[#「車+兒」、第4水準2−89−65]の字も※[#「車+兀」、555−3]の字も判然たる意味を知らないのだが、乗ってる人は定めて※[#「車+兒」、第4水準2−89−65]※[#「※」は「車+兀」、555−4]《げいげつ》たるものに相違なかろうと思ったからである。実を云うと※[#「車+兒」、第4水準2−89−65]※[#「車+兀」、555−5]たるものは支那の車ばかりではない。こう云う自分もはなはだ危《
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