、時間、因果律もやはりこの豹変のうちに含んでいます。それは講話の都合で後廻しにしましたから、今にだんだんわかります)
なぜこんな矛盾が起ったのだろうか。よく考えると何にもないのに、通俗では森羅万象《しんらばんしょう》いろいろなものが掃蕩《そうとう》しても掃蕩しきれぬほど雑然として宇宙に充※[#「特のへん+仞のつくり」、第4水準2−80−18]《じゅうじん》している。戸張君ではないが天地前にあり、竹風ここにありと云いたくなるくらいであります。――なぜこんな矛盾が起ったのであろうか。これはすこぶる大問題である。面倒にむずかしく論じて来たら大分暇がかかりましょう。私は必要上、ごく粗末なところを、はなはだ短い時間内に御話するのであるから、無論|豪《えら》い哲学者などが聞いておられたら、不完全だと云って攻撃せられるだろうと思います。しかしこの短い時間内に、こんな大袈裟《おおげさ》な問題を片づけるのだから、無論完全な事を云うはずがない、不完全は無論不完全だが、あの度胸が感心だと賞《ほ》めていただきたい。もっとも時間は幾らでも与えるから、もっと立派に言えと注文されても私の手際《てぎわ》では覚束《お
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