、そう働らいて身体《からだ》を壊しちゃ何にもならないから、たまには骨休めをなさいよ、身体が資本《もとで》じゃありませんかと申しますと、おいらもそう思ってるんだが、それからそれへと用が湧《わ》いてくるんで、傍《そば》から掬《しゃ》くい出さないと、用が腐っちまうから仕方がないなんて笑って取り合いませんので。そうかと思うとまた妹や娘に今日はこれから鎌倉へ伴《つ》れて行く、さあすぐ支度をしろって、まるで足元から鳥が立つように急《せ》き立てる事もございますが……」
「御嬢さんがおありなのですか」
「ええ二人おります。いずれも年頃でございますから、もうそろそろどこかへ片づけるとか婿《むこ》を取るとかしなければなりますまいが」
「そのうちの一人の方《かた》が、須永君のところへ御出《おいで》になる訳でもないんですか」
母はちょっと口籠《くちごも》った。敬太郎もただ自分の好奇心を満足させるためにあまり立ち入った質問をかけ過ぎたと気がついた。何とかして話題を転じようと考えているうちに、相手の方で、
「まあどうなりますか。親達の考もございましょうし。当人達《とうにんたち》の存じ寄りもしかと聞糺《ききただ》
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