金米糖《こんぺいとう》のような調子を得意になって出します。そうして聴手《ききて》の心を粗暴にして威張ります。僕は昨日《きのう》京都から大阪へ来ました。今日朝日新聞にいる友達を尋ねたら、その友人が箕面《みのお》という紅葉《もみじ》の名所へ案内してくれました。時節が時節ですから、紅葉は無論見られませんでしたが、渓川《たにがわ》があって、山があって、山の行き当りに滝があって、大変好い所でした。友人は僕を休ませるために社の倶楽部《クラブ》とかいう二階建の建物の中へ案内しました。そこへ這入《はい》って見ると、幅の広い長い土間が、竪《たて》に家の間口を貫ぬいていました。そうしてそれがことごとく敷瓦《しきがわら》で敷きつめられている模様が、何だか支那の御寺へでも行ったような沈んだ心持を僕に与えました。この家は何でも誰かが始め別荘に拵《こしら》えたのを、朝日新聞で買い取って倶楽部用にしたのだとか聞きましたが、よし別荘にせよ、瓦《かわら》を畳んで出来ている、この広々とした土間は何のためでしょう。僕はあまり妙だから友人に尋ねて見ました。ところが友人は知らんと云いました。もっともこれはどうでも構わない事です
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