》にある涼み台みたようなものの上に腰をかけた。清もおかけと云って自分の席を割《さ》いてやった。
 四人が茶を呑《の》んで待ち合わしている間《あいだ》に、骨上《こつあげ》の連中が二三組見えた。最初のは田舎染《いなかじ》みた御婆さんだけで、これは御仙と千代子の服装に対して遠慮でもしたらしく口数を多く利《き》かなかった。次には尻を絡《から》げた親子連《おやこづれ》が来た。活溌《かっぱつ》な声で、壺《つぼ》を下さいと云って、一番安いのを十六銭で買って行った。三番目には散髪《さんぱつ》に角帯を締《し》めた男とも女とも片のつかない盲者《めくら》が、紫の袴《はかま》を穿《は》いた女の子に手を引かれてやって来た。そうしてまだ時間はあるだろうねと念を押して、袂《たもと》から出した巻煙草《まきたばこ》を吸い始めた。須永はこの盲者の顔を見ると立ち上ってぷいと表へ出たぎりなかなか返って来なかった。ところへ事務所のものが御仙の傍へ来て、用意が出来ましたからどうぞと促《うな》がしたので、千代子は須永を呼びに裏手へ出た。

        八

 真鍮《しんちゅう》の掛札に何々殿と書いた並等《なみとう》の竈《かま》
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