舞《こぶ》してかかった。
 始めは見方一つで長くもなり短かくもなるくらいの意味かも知れないと思って、先へ進んで見たが、それでは余り平凡過ぎて、解釈がついたもつかないも同じ事のような心持がした。そこでまた後戻りをして、「長いような短かいような」という言葉を幾度《いくたび》か口の内でくり返しながら思案した。が、容易に解決のできる見込は立たなかった。時計を見ると、自由に使っていい二時間のうちで、もう三十分しか残っていない。彼は抜裏《ぬけうら》と間違えて袋の口へ這入《はい》り込んだ結果、好んで行き悩みの状態に悶《もだ》えているのでは無かろうかと、自分で自分の判断を危ぶみ出した。出端《では》のない行きどまりに立つくらいなら、もう一遍引き返して、新らしい途《みち》を探す方がましだとも考えた。しかしこう時間が逼《せま》っているのに、初手《しょて》から出直しては、とても間に合うはずがない、すでにここまで来られたという一部分の成功を縁喜《えんぎ》にして、是非先へ突き抜ける方が順当だとも考えた。これがよかろうあれがよかろうと右左に思い乱れている中に、彼の想像はふと全体としての杖《つえ》を離れて、握りに刻ま
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