しいこの日光が、あたかも自分のために世の中を照らしているような愉快を覚えた。彼はこの間の会見で、自分に都合の好い結果が、近い内にわが頭の上に落ちて来るものと固く信ずるようになった。そうしてその結果がどんな異様の形を装《よそお》って、彼の前に現われるかを、彼は最も楽しんで待ち暮らした。彼が田口に依頼した仕事のうちには、普通の依頼者の申《もう》し出《いで》以上のものまで含んでいた。彼は一定の職業から生ずる義務を希望したばかりでなく、刺戟《しげき》に充《み》ちた一時性の用事をも田口から期待した。彼の性質として、もし成効の影が彼を掠《かす》めて閃《ひら》めくならば、おそらく尋常の雑務とは切り離された特別の精彩を帯びたものが、卒然彼の前に投げ出されるのだろうぐらいに考えた。そんな望を抱いて、彼は毎日美くしい日光に浴していたのである。
すると四日ばかりして、また田口から電話がかかった。少し頼みたい事ができたが、わざわざ呼び寄せるのも気の毒だし、電話では手間が要《い》ってかえって面倒になるし、仕方がないから、速達便で手紙を出す事にしたから、委細《いさい》はそれを見て承知してくれ。もし分らない事があ
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