て、例の文銭を並べ更《か》えた。敬太郎から云えば先《せん》の並べ方も今度の並べ方も大抵似たものであるが、婆さんにはそこに何か重大の差別があるものと見えて、その一枚を引っくり返すにも軽率に手は下さなかった。ようやく九枚をそれぞれ念入に片づけた後《あと》で、婆さんは敬太郎に向って「大体分りました」と云った。
「どうすれば好いんですか」
「どうすればって、占ないには陰陽《いんよう》の理で大きな形が現われるだけだから、実地は各自《めいめい》がその場に臨んだ時、その大きな形に合わして考えるほかありませんが、まあこうです。あなたは自分のようなまた他人《ひと》のような、長いようなまた短かいような、出るようなまた這入《はい》るようなものを待っていらっしゃるから、今度事件が起ったら、第一にそれを忘れないようになさい。そうすれば旨《うま》く行きます」
 敬太郎は煙《けむ》に巻かれざるを得なかった。いくら大きな形が陰陽の理で現われたにしたところで、これじゃ方角さえ立たない霧《きり》のようなものだから、たとい嘘《うそ》でも本当でも、もう少し切りつめた応用の利くところを是非云わせようと思って、二三押問答をして見
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