と評されても仕方のないこの一致は、根強い彼らの性格から割り出されていた。偶然というよりもむしろ必然の結果であった。互に顔を見合せた彼らは、相手の人相で自分の運命を判断した。
 細君の父が健三の手で調達《ちょうだつ》された金を受取って帰ってから、それを特別の問題ともしなかった夫婦は、かえって余事を話し合った。
「産婆は何時頃生れるというのかい」
「何時って判然《はっきり》いいもしませんが、もう直《じき》ですわ」
「用意は出来てるのかい」
「ええ奥の戸棚の中に入っています」
 健三には何が這入《はい》っているのか分らなかった。細君は苦しそうに大きな溜息《ためいき》を吐《つ》いた。
「何しろこう重苦しくっちゃ堪らない。早く生れてくれなくっちゃ」
「今度《こんだ》は死ぬかも知れないっていってたじゃないか」
「ええ、死んでも何でも構わないから、早く生んじまいたいわ」
「どうも御気の毒さまだな」
「好《い》いわ、死ねば貴夫《あなた》のせいだから」
 健三は遠い田舎《いなか》で細君が長女を生んだ時の光景を憶《おも》い出した。不安そうに苦い顔をしていた彼が、産婆から少し手を貸してくれといわれて産室へ入
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