。
「自分も兄弟だから他《ひと》から見たらどこか似ているのかも知れない」
こう思うと、兄を気の毒がるのは、つまり自分を気の毒がるのと同じ事にもなった。
「姉さんはもう好《い》いんですか」
問題を変えた彼は、姉の病気について経過を訊《たず》ねた。
「ああ。どうも喘息《ぜんそく》ってものは不思議だねえ。あんなに苦しんでいても直《じき》癒《なお》るんだから」
「もう話が出来ますか」
「出来るどころか、なかなか能《よ》く喋舌《しゃべ》ってね。例の調子で。――姉さんの考じゃ、島田は御縫《おぬい》さんの所へ行って、智慧《ちえ》を付けられて来たんだろうっていうんだがね」
「まさか。それよりあの男だからあんな非常識な事をいって来るのだと解釈する方が適当でしょう」
「そう」
兄は考えていた。健三は馬鹿らしいという顔付をした。
「でなければね。きっと年を取って皆なから邪魔にされるんだろうって」
健三はまだ黙っていた。
「何しろ淋《さむ》しいには違ないんだね。それもあいつの事だから、人情で淋しいんじゃない、慾《よく》で淋しいんだ」
兄はお縫さんの所から毎月彼女の母の方へ手宛《てあて》が届く事をどう
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