ニこしな》えに落ちて、女が長えに水に浮いている感じをあらわしたいが、それが画《え》でかけるだろうか。かのラオコーンには――ラオコーンなどはどうでも構わない。原理に背《そむ》いても、背かなくっても、そう云う心持ちさえ出ればいい。しかし人間を離れないで人間以上の永久と云う感じを出すのは容易な事ではない。第一顔に困る。あの顔を借りるにしても、あの表情では駄目だ。苦痛が勝ってはすべてを打《う》ち壊《こ》わしてしまう。と云ってむやみに気楽ではなお困る。一層《いっそ》ほかの顔にしては、どうだろう。あれか、これかと指を折って見るが、どうも思《おもわ》しくない。やはり御那美さんの顔が一番似合うようだ。しかし何だか物足らない。物足らないとまでは気がつくが、どこが物足らないかが、吾《われ》ながら不明である。したがって自己の想像でいい加減に作り易《か》える訳に行かない。あれに嫉※[#「女+戸」、第3水準1−15−76]《しっと》を加えたら、どうだろう。嫉※[#「女+戸」、第3水準1−15−76]では不安の感が多過ぎる。憎悪《ぞうお》はどうだろう。憎悪は烈《は》げし過ぎる。怒《いかり》? 怒では全然調和を破る
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