ゥかと》につく頃、平《ひら》たき足が、すべての葛藤《かっとう》を、二枚の蹠《あしのうら》に安々と始末する。世の中にこれほど錯雑《さくざつ》した配合はない、これほど統一のある配合もない。これほど自然で、これほど柔《やわ》らかで、これほど抵抗の少い、これほど苦にならぬ輪廓は決して見出せぬ。
しかもこの姿は普通の裸体のごとく露骨に、余が眼の前に突きつけられてはおらぬ。すべてのものを幽玄に化する一種の霊氛《れいふん》のなかに髣髴《ほうふつ》として、十分《じゅうぶん》の美を奥床《おくゆか》しくもほのめかしているに過ぎぬ。片鱗《へんりん》を溌墨淋漓《はつぼくりんり》の間《あいだ》に点じて、※[#「虫+礼のつくり」、第3水準1−91−50]竜《きゅうりょう》の怪《かい》を、楮毫《ちょごう》のほかに想像せしむるがごとく、芸術的に観じて申し分のない、空気と、あたたかみと、冥※[#「しんにょう+貌」、第3水準1−92−58]《めいばく》なる調子とを具《そな》えている。六々三十六|鱗《りん》を丁寧に描きたる竜《りゅう》の、滑稽《こっけい》に落つるが事実ならば、赤裸々《せきらら》の肉を浄洒々《じょうしゃしゃ
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