日《こんにち》まで少しの晴間なく続いたのである。そうしてそれがだんだん険悪の一方に向って真直《まっすぐ》に進んで行くのである。
「本当に困っちまうよ妾《わたし》だって。腹も立つが気の毒でもあるしね」
 母は訴えるように自分を見た。
 自分は父や母と相談のあげく、兄に旅行でも勧めて見る事にした。彼らが自分達の手際《てぎわ》ではとても駄目だからというので、自分は兄と一番親密なHさんにそれを頼むが好かろうと発議《ほつぎ》して二人の賛成を得た。しかしその頼み役には是非共自分が立たなければ済まなかった。春休みにはまだ一週間あった。けれども学校の講義はもうそろそろしまいになる日取であった。頼んで見るとすれば、早くしなければ都合が悪かった。
「じゃ二三日《にさんち》うちに三沢の所へ行って三沢からでも話して貰うかまた様子によったら僕がじかに行って話すか、どっちかにしましょう」
 Hさんとそれほど懇意でない自分は、どうしても途中に三沢を置く必要があった。三沢は在学中Hさんを保証人にしていた。学校を出てからもほとんど家族の一人のごとく始終《しじゅう》そこへ出入していた。
 帰りがけに挨拶《あいさつ》をしよ
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