増して来たら、眼が覚めた。襟《えり》の所がぞくぞくする。それから起きて表へ出て空を見たら、星がいっぱいあった。あの星は何しに、あんなに光ってるのだろうと思って、また内へ這入《はい》った。金《きん》さんは相変らず平たくなって寝ている。金さんはいつジャンボー[#「ジャンボー」に傍点]になるんだろう。自分と金さんとどっちが早く死ぬだろう。安さんは六年このシキ[#「シキ」に傍点]に這入ってると聞いたが、この先何年|鉱《あらがね》を敲《たた》くだろう。やっぱりしまいには金さんのように平たくなって、飯場の片隅《かたすみ》に寝るんだろう。そうして死ぬだろう。――自分は火のない囲炉裏の傍《はた》に坐って、夜明まで考えつづけていた。その考えはあとから、あとから、仕切《しき》りなしに出て来たが、いずれも干枯《ひから》びていた。涙も、情《なさけ》も、色も香《か》もなかった。怖《こわ》い事も、恐ろしい事も、未練も、心残りもなかった。
 夜が明けてから例のごとく飯を済まして、親方の所へ行った。親方は元気のいい声をして、
「来たか、ちょうど好い口が出来た。実はあれからいろいろ探したがどうも思わしいところがないんで
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