事に半月以上|食《くら》い込む事もある。こう云う訳で、シキ[#「シキ」に傍点]のなかに路ができて、路のはたに銅脈さえ見つかれば、御構《おかまい》なくそこだけを掘り抜いて行くんだから、電車の通るシキ[#「シキ」に傍点]の入口こそ、平らでもあり、また一条《ひとすじ》でもあるが、下へ折れて第一見張所のあたりからは、右へも左へも条路《えだみち》ができて、方々に作事場が建つ。その作事をしまうと、また銅脈を見つけては掘り抜いて行くんだから、シキ[#「シキ」に傍点]の中は細い路だらけで、また暗い坑だらけである。ちょうど蟻《あり》が地面を縦横に抜いて歩くようなものだろう。または書蠹《のむし》が本を食《くら》うと見立てても差《さ》し支《つかえ》ない。つまり人間が土の中で、銅《あかがね》を食って、食い尽すと、また銅を探し出して食いにゆくんでむやみに路がたくさんできてしまったんである。だから、いくらシキ[#「シキ」に傍点]の中を通っても、ただ通るだけで作事場へ出なければ坑夫には逢《あ》わない。かあんかあんという音はするが、音だけでは極《きわ》めて淋《さみ》しいものである。自分は初さんに連れられて、シキ[#「
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