ー」に傍点]で持ち切っていた。いろいろな声がこんな事を云う。――
「あのジャンボー[#「ジャンボー」に傍点]はどこから出たんだろう」
「どこから出たって御《お》ジャンボー[#「ジャンボー」に傍点]だ」
「ことによると黒市組《くろいちぐみ》かも知れねえ。見当《けんとう》がそうだ」
「全体《ぜんてえ》ジャンボー[#「ジャンボー」に傍点]になったらどこへ行くもんだろう」
「御寺よ。きまってらあ」
「馬鹿にするねえ。御寺の先を聞いてるんだあな」
「そうよ、そりゃ寺限《てらぎり》で留《とま》りっこねえ訳だ。どっかへ行くに違《ちげ》えねえ」
「だからよ。その行く先はどんな所《とこ》だろうてえんだ。やっぱしこんな所《ところ》かしら」
「そりゃ、人間の魂の行く所だもの、大抵は似た所に違えねえ」
「己《おれ》もそう思ってる。行くとなりゃ、どうもほかへ行く訳がねえからな」
「いくら地獄だって極楽《ごくらく》だって、やっぱり飯は食うんだろう」
「女もいるだろうか」
「女のいねえ国が世界にあるもんか」
ざっと、こんな談話だから、聞いているとめちゃめちゃである。それで始めのうちは冗談《じょうだん》だと思った。
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