ゥらぜひ救ってやりたいと云うので、むやみに友人や何かへ手紙を出すんだね。僕も四五通貰ったが、中にはなかなか長い奴があって不足税を二度ばかりとられたよ」
「それじゃ僕の所《とこ》へ来たのも老梅から来たんだ」
「君の所へも来たかい。そいつは妙だ。やっぱり赤い状袋だろう」
「うん、真中が赤くて左右が白い。一風変った状袋だ」
「あれはね、わざわざ支那から取り寄せるのだそうだよ。天の道は白なり、地の道は白なり、人は中間に在《あ》って赤しと云う豚仙の格言を示したんだって……」
「なかなか因縁《いんねん》のある状袋だね」
「気狂だけに大《おおい》に凝《こ》ったものさ。そうして気狂になっても食意地だけは依然として存しているものと見えて、毎回必ず食物の事がかいてあるから奇妙だ。君の所へも何とか云って来たろう」
「うん、海鼠《なまこ》の事がかいてある」
「老梅は海鼠が好きだったからね。もっともだ。それから?」
「それから河豚《ふぐ》と朝鮮仁参《ちょうせんにんじん》か何か書いてある」
「河豚と朝鮮仁参の取り合せは旨《うま》いね。おおかた河豚を食って中《あた》ったら朝鮮仁参を煎《せん》じて飲めとでも云うつもり
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