エとダムダム弾を主人の邸内に降らせる。邸内に降らせる以上は、邸内へ這入《はい》って拾わなければならん。邸内に這入るもっとも簡便な方法は四つ目垣を越えるにある。四つ目垣のうちで騒動すれば主人が怒《おこ》り出さなければならん。しからずんば兜《かぶと》を脱いで降参しなければならん。苦心のあまり頭がだんだん禿げて来なければならん。
今しも敵軍から打ち出した一弾は、照準《しょうじゅん》誤《あやま》たず、四つ目垣を通り越して桐《きり》の下葉を振い落して、第二の城壁|即《すなわ》ち竹垣に命中した。随分大きな音である。ニュートンの運動律第一に曰《いわ》くもし他の力を加うるにあらざれば、一度《ひとた》び動き出したる物体は均一の速度をもって直線に動くものとす。もしこの律のみによって物体の運動が支配せらるるならば主人の頭はこの時にイスキラスと運命を同じくしたであろう。幸《さいわい》にしてニュートンは第一則を定むると同時に第二則も製造してくれたので主人の頭は危うきうちに一命を取りとめた。運動の第二則に曰く運動の変化は、加えられたる力に比例す、しかしてその力の働く直線の方向において起るものとす。これは何の事だ
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