閧ヘこれだけで事足るのだが、その周囲附近には弥次馬《やじうま》兼援兵が雲霞《うんか》のごとく付き添うている。ポカーンと擂粉木が団子に中《あた》るや否やわー、ぱちぱちぱちと、わめく、手を拍《う》つ、やれやれと云う。中《あた》ったろうと云う。これでも利《き》かねえかと云う。恐れ入らねえかと云う。降参かと云う。これだけならまだしもであるが、敲《たた》き返された弾丸は三度に一度必ず臥竜窟邸内へころがり込む。これがころがり込まなければ攻撃の目的は達せられんのである。ダムダム弾は近来諸所で製造するが随分高価なものであるから、いかに戦争でもそう充分な供給を仰ぐ訳に行かん。大抵一隊の砲手に一つもしくは二つの割である。ポンと鳴る度にこの貴重な弾丸を消費する訳には行かん。そこで彼等はたま拾《ひろい》と称する一部隊を設けて落弾《おちだま》を拾ってくる。落ち場所がよければ拾うのに骨も折れないが、草原とか人の邸内へ飛び込むとそう容易《たやす》くは戻って来ない。だから平生ならなるべく労力を避けるため、拾い易《やす》い所へ打ち落すはずであるが、この際は反対に出る。目的が遊戯にあるのではない、戦争に存するのだから、わ
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