sくぐ》り得る事は、いかなる小僧といえどもとうてい出来る気遣はないから乱入の虞《おそれ》は決してないと速定《そくてい》してしまったのである。なるほど彼等が猫でない限りはこの四角の目をぬけてくる事はしまい、したくても出来まいが、乗り踰《こ》える事、飛び越える事は何の事もない。かえって運動になって面白いくらいである。
垣の出来た翌日から、垣の出来ぬ前と同様に彼等は北側の空地へぽかりぽかりと飛び込む。但《ただ》し座敷の正面までは深入りをしない。もし追い懸けられたら逃げるのに、少々ひまがいるから、予《あらかじ》め逃げる時間を勘定に入《い》れて、捕《とら》えらるる危険のない所で遊弋《ゆうよく》をしている。彼等が何をしているか東の離れにいる主人には無論目に入《い》らない。北側の空地《あきち》に彼等が遊弋している状態は、木戸をあけて反対の方角から鉤《かぎ》の手に曲って見るか、または後架《こうか》の窓から垣根越しに眺《なが》めるよりほかに仕方がない。窓から眺める時はどこに何がいるか、一目《いちもく》明瞭に見渡す事が出来るが、よしや敵を幾人《いくたり》見出したからと云って捕える訳には行かぬ。ただ窓の格
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