ら起るのだから、ちっと懲《こ》らしめのためにいじめてやるが好かろうと思って、少し当ってやったよ」
「なるほどそれでは大分《だいぶ》答えましたろう、全く本人のためにもなる事ですから」と御客さんはいかなる当り方[#「当り方」に傍点]か承《うけたまわ》らぬ先からすでに金田君に同意している。
「ところが鈴木さん、まあなんて頑固な男なんでしょう。学校へ出ても福地《ふくち》さんや、津木《つき》さんには口も利《き》かないんだそうです。恐れ入って黙っているのかと思ったらこの間は罪もない、宅《たく》の書生をステッキを持って追っ懸けたってんです――三十|面《づら》さげて、よく、まあ、そんな馬鹿な真似が出来たもんじゃありませんか、全くやけ[#「やけ」に傍点]で少し気が変になってるんですよ」
「へえどうしてまたそんな乱暴な事をやったんで……」とこれには、さすがの御客さんも少し不審を起したと見える。
「なあに、ただあの男の前を何とか云って通ったんだそうです、すると、いきなり、ステッキを持って跣足《はだし》で飛び出して来たんだそうです。よしんば、ちっとやそっと、何か云ったって小供じゃありませんか、髯面《ひげづら》
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