達する訳になるな。これからの人間は生きながら八《や》つ裂《ざき》の刑を受けるようなものだ。苦しいだろう」
「今に人間が進化すると、神様の顔へ豚の睾丸《きんたま》をつけたような奴《やつ》ばかり出来て、それで落つきが取れるかも知れない。いやだな、そんな修業に出掛けるのは」
「いっそ廃《やめ》にするか。うちにいて親父《おやじ》の古洋服でも着て太平楽を並べている方が好いかも知れない。ハハハハ」
「ことに英吉利《イギリス》人は気に喰わない。一から十まで英国が模範であると云わんばかりの顔をして、何でもかでも我流《がりゅう》で押し通そうとするんですからね」
「だが英国紳士と云って近頃だいぶ評判がいいじゃないか」
「日英同盟だって、何もあんなに賞《ほ》めるにも当らない訳だ。弥次馬共が英国へ行った事もない癖に、旗ばかり押し立てて、まるで日本が無くなったようじゃありませんか」
「うん。どこの国でも表が表だけに発達すると、裏も裏相応に発達するだろうからな。――なに国ばかりじゃない個人でもそうだ」
「日本がえらくなって、英国の方で日本の真似でもするようでなくっちゃ駄目だ」
「御前が日本をえらくするさ。ハハハハ
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