》とか、五車《ごしゃ》反古と云うようなものを入れちゃ、どうです」
「そんなものは要《い》らない。紙幣《しへい》の反古をたくさん入れて貰いたい」
「ただの反古を入れて置いて、催眠術を掛けて貰う方が早そうだ」
「まず人間の方で先に反古《ほご》になる訳だな。乞う隗《かい》より始めよか。人間の反古なら催眠術を掛けなくてもたくさんいる。なぜこう隗より始めたがるのかな」
「なかなか隗より始めたがらないですよ。人間の反故が自分で屑籠の中へ這入ってくれると都合がいいんだけれども」
「自働屑籠を発明したら好かろう。そうしたら人間の反故がみんな自分で飛び込むだろう」
「一つ専売でも取るか」
「アハハハハ好かろう。知ったもののうちで飛び込ましたい人間でもあるかね」
「あるかも知れません」と小野さんは切り抜けた。
「時に君は昨夕《ゆうべ》妙な伴《つれ》とイルミネーションを見に行ったね」
見物に行った事はさっき露見してしまった。今更《いまさら》隠す必要はない。
「ええ、君らも行ったそうですね」と小野さんは何気なく答えた。甲野《こうの》さんは見つけても知らぬ顔をしている。藤尾は知らぬ顔をして、しかも是非共こちら
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