らである。――謎の女の鄭重《ていちょう》なのはもっとも法律に触れ悪い。和尚は腕組をしてふうんと云った。
「もし彼人《あれ》が断然|家《うち》を出ると云い張りますと――私がそれを見て無論黙っている訳には参りませんが――しかし当人がどうしても聞いてくれないとすると……」
「聟《むこ》かね。聟となると……」
「いえ、そうなっては大変でございますが――万一の場合も考えて置かないと、いざと云う時に困りますから」
「そりゃ、そう」
「それを考えると、あれが病気でもよくなって、もう少ししっかりしてくれないうちは、藤尾を片づける訳に参りません」
「左様《さよう》さね」と和尚は単純な首を傾けたが
「藤尾さんは幾歳《いくつ》ですい」
「もう、明けて四《し》になります」
「早いものですね。えっ。ついこの間までこれっぱかりだったが」と大きな手を肩とすれすれに出して、ひろげた掌《てのひら》を下から覗《のぞ》き込むようにする。
「いえもう、身体《なり》ばかり大きゅうございまして、から、役に立ちません」
「……勘定すると四になる訳だ。うちの糸が二だから」
話は放《ほう》って置くとどこかへ流れて行きそうになる。謎の
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