なるべきものと思うのであります。
 近頃教育者には文学はいらぬというものもあるが、自分の今までのお話は全く教育に関係がないという事が出来ぬ。現時の教育において小学校中等学校はローマン主義で大学などに至っては、ナチュラル主義のものとなる。この二者は密接なる関係を有して、二つであるけれどもつまりは一つに重《かさ》なるものと見てよろしいのであります。故に前《ぜん》申した通り文学と教育とは決して離れないものであるのであります。(文責記者にあり)
[#地から2字上げ]――明治四四、七、一『信濃教育』――



底本:「漱石文明論集」岩波文庫、岩波書店
   1986(昭和61)年10月16日第1刷発行
   1998(平成10)年7月24日第26刷発行
入力:柴田卓治
校正:福地博文
1999年8月4日公開
2003年10月9日修正
青空文庫作成ファイル:
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