事は貰《もら》つた時より外《ほか》に何も云つて来《こ》ないが、子供の生長《おいたち》には興味があると見えて、時々《とき/″\》代助の可笑《おかし》くなる様な報知をした。代助はそれを読むたびに、此子供に対して、満足しつゝある友人の生活を想像した。さうして、此子供の為《ため》に、彼の細君に対する感想が、貰《もら》つた当時に比べて、どの位変化したかを疑つた。
 友人は時々《とき/″\》鮎《あゆ》の乾《ほ》したのや、柿の乾《ほ》したのを送つてくれた。代助は其返礼に大概は新らしい西洋の文学書を遣《や》つた。すると其返事には、それを面白く読んだ証拠になる様な批評が屹度あつた。けれども、それが長くは続《つゞ》かなかつた。仕舞には受取《うけと》つたと云ふ礼状さへ寄《よ》こさなかつた。此方《こつち》からわざ/\問ひ合せると、書物は難有く頂戴した。読んでから礼を云はうと思つて、つい遅《おそ》くなつた。実はまだ読《よ》まない。白状すると、読《よ》む閑《ひま》がないと云ふより、読む気がしないのである。もう一層露骨に云へば、読んでも解《わか》らなくなつたのである。といふ返事が来《き》た。代助は夫《それ》から書物
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