へ確《たしか》なら此方《こつち》は何時《いつ》でも確《たしか》だ」と云つて、ちやんと代助の顔を見た。実際自分の云ふ通りの男である。そこで代助が云つた。――
「君はさつきから、働《はた》らかない/\と云つて、大分|僕《ぼく》を攻撃したが、僕は黙《だま》つてゐた。攻撃される通り僕は働《はた》らかない積《つもり》だから黙《だま》つてゐた」
「何故《なぜ》働《はたら》かない」
「何故《なぜ》働《はたら》かないつて、そりや僕が悪《わる》いんぢやない。つまり世《よ》の中《なか》が悪《わる》いのだ。もつと、大袈裟に云ふと、日本対西洋の関係が駄目だから働《はたら》かないのだ。第一、日本程借金を拵らへて、貧乏|震《ぶる》ひをしてゐる国はありやしない。此借金が君、何時《いつ》になつたら返せると思ふか。そりや外債位は返せるだらう。けれども、それ許《ばか》りが借金ぢやありやしない。日本は西洋から借金でもしなければ、到底立ち行かない国だ。それでゐて、一等国を以て任じてゐる。さうして、無理にも一等国の仲間入をしやうとする。だから、あらゆる方面に向つて、奥行《おくゆき》を削《けづ》つて、一等国丈の間口《まぐち》を張
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