謝々々。
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・断食か、行乞か。
・閑愁
・うれしがりや
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七月廿九日[#「七月廿九日」に二重傍線] 晴曇。
早く起きた、朝蝉まことによろし。
何となく倦怠、顔を剃り、身体を水拭きする。
すなほにつゝましく読書。
今日は一句もなかつた、それでよろし、それもよからう。
七月卅日[#「七月卅日」に二重傍線] 曇。
落ちついて、――蝉も私もきり/″\すも。
今日も郵便は来なかつた。
胡瓜一つ――一つしか生《ナ》つてゐない――をもいで御飯をたべる。
私としてはめづらしく頭が痛い、散歩、暮羊居で、ラツキヨウを下物にコツプ酒。
夕方、樹明君来庵、飯が食べたいといはれても、麦飯、胡瓜、味噌、そして白湯しかなかつた、杉の葉を燻して、しばらく漫談。
しづかさ、さびしさ、かなしさ、早く寝た。
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軽く詠うて深く感じさせる[#「軽く詠うて深く感じさせる」に傍点]。
良心――意志――行動
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七月卅一日[#「七月卅一日」に二重傍線] 曇、微雨。
沈欝。――
涼しすぎる、秋風のやうな。――
五日ぶりに、やつと
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