郵便が来たことは来たけれど。――
煙草がなくなつた、食べるものもなくならうとしてゐる。
シヨウユウライス[#「シヨウユウライス」に傍点]!
歳[#「歳」に傍点]事[#「事」に「マヽ」の注記]記[#「記」に傍点]を読みつゞける。――
八月一日[#「八月一日」に二重傍線] 雨――曇――晴。
朝のうちは時化模様で、風雨が強くなりさうだつたが、だん/\おさまつて、おだやかな晴天になつた。
つゝましく、今日も歳事記を読みつゞけた。
早寝する。
八月二日[#「八月二日」に二重傍線] 晴――曇。
絶食、身心を清掃しよう[#「身心を清掃しよう」に傍点]!
思ひがけなく、Kからうれしい手紙、といふよりもありがたい手紙が来た、あゝKよ、Kよ、私は、私は。……
樹明君酔つぱらつてころげこんだ、寝せてをいて、街へ出かける、買物いろ/\、何よりも、米と酒!
樹明君と同道して暮羊居まで。
私は旅へ。――
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八月三日┐
├旅日記
〃 八日┘
[#ここで字下げ終わり]
底本:「山頭火全集 第八巻」春陽堂書店
1987(昭和62)年7月25日第1刷発行
※底本は、物
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