ならないものは自制である、自制せよ[#「自制せよ」に傍点]、自制せよ[#「自制せよ」に傍点]。
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┌自我本位説
└生命〃〃
新らしい生命観[#「新らしい生命観」に傍点]
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七月十九日[#「七月十九日」に二重傍線] 晴。
暑かつた、――まつたく真夏の天地になつた。
茫々たり、漠々たり、混沌として何物もなし、しかも堪へがたく憂愁たゞよふ。……
夜、中原君来訪、同君のよさが事毎にあらはれて、ます/\好きになる、私を心配してくれる心持がたまらなくうれしい、酔態の見苦しかつたことを聞かされたが、大した醜態は演じなかつたらしい、日頃の狂態までには到らなかつたことを知つて、ほつとした。
蚊帳の中でランプも点けないで、十一時まで話し合つた。
かねて読みたいと思つてゐた雪国と浅草紅団とを持つて来て下さつた、ありがたし/\。
労れて安心して安眠した、めでたし/\。
今日はまたアメリカの大月さんからコーヒーを頂戴した、ありがたう/\/\。
七月廿日[#「七月廿日」に二重傍線] 晴。
申分のない土用入。
快眠した朝の心、落ちついて読書。
みん/\蝉
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