がる山頭火が辛うじて引張つて帰つた、二時頃だつたらう。
句会が苦界[#「句会が苦界」に傍点]になつた次第である。
七月十六日[#「七月十六日」に二重傍線] 晴。
不快、内外清掃。
桔梗が咲き初めた。
自戒、自粛、自制せよ、孤坐観心[#「孤坐観心」に傍点]。
かねての約束の如く、山口詩選[#「山口詩選」に傍点]出版記念茶話会へ招待されたので出かける、一時のバスで湯田へ。
いつものやうに一浴して(一杯は差控へて)、白石校に長谷さんを訪ねる、それから下井田さんを訪ねる、新聞雑誌を読ませて貰ふ、行水させて貰ふ、夕飯の御馳走になる、酒三本、快く微酔した、ハダカとハダカとのつきあい[#「ハダカとハダカとのつきあい」に傍点]はうれしかつた。
七時前、長谷、福富、下井田等と八木食堂へ、出席者十人ばかり、新聞記者がしやべること/\、私もまけずにしやべりちらしたが。
十時頃、そこを切りあげて、長谷君の部屋で飲む、誰もが興奮してゐる、和田君は泣いて語る、中原君は酔うて寝る、下井田君は人生批判をつゞける、福富さんと長谷さんとはおとなしい、私はやたらに飲む、……それから湯田へ出かけて飲みつゞける、三時近く
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