まい料理を食べた、そして、それから、……それから、そして、……地極[#「極」に「マヽ」の注記]々々!
六月一日 晴、螻子居。
身心混沌として我と我を罵るのみ、――といつたやうなていたらく!
螻子居の厄介になる、昼酒、晩酌、読書、雑談、散歩、螻子君と共に一日一夜たのしく暮らした。
今日は野の川で水浴した、多少身心がさつぱし[#「ぱし」に「マヽ」の注記]た。
六月二日 柊屋、晴、曇。
そんなことはどうでもよい、澄太君夫妻の温情につゝまれてゐた。
S氏K氏の邸宅に押しかけて短冊を売りつけた、あゝ不快、不快、不快。……
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澄太居雑詠
よい酒でよい蛙でほんに久しぶり
雨ふる古い古い石塔が青葉がくれに
青葉をへだててお隣は味噌でも摺るらしい音
柊のあを/\としておだやかなくらし
朝の鏡の白い花のかげ
蛙ひとしきりそれからまた降る
□
海は曇つて何もない雨
つんばくろよいつしよにゆかう
[#ここで字下げ終わり]
六月三日 晴。
七時出立、己斐まで電車、そこから歩くつもりだつたが、酒づかれ[#「酒づかれ」に傍点]でまた電車で宮嶋へ、青葉の紅葉谷公園はよ
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