ものだと思ふ。
○自己に徹することが自然に徹することだ[#「自己に徹することが自然に徹することだ」に傍点]。
自然に徹するとは空の世界[#「空の世界」に傍点]を体解[#「解」に「マヽ」の注記]することである。
[#ここで字下げ終わり]
七月六日[#「七月六日」に二重傍線] 雨。
……いつのまにやら、どうしてやら、ちやんと帰つて来て寝てゐた。……
今日も山口へ行く、ハイカイコジキだ、つらいね。
W君もH君もN君も不在、H君には逢へた、小学校はよいな、参観してゐると涙ぐましくなる。
湯田はよいとこ(たゞ温泉がある故に)、酔うてとうたうS屋に泊る、いやなおかみさんだけれど、宿そのものは悪くない。
おかげでぐつすり、ほんにぐつすり睡れた。
七月七日[#「七月七日」に二重傍線] 曇――雨。
朝酒は止めて、一浴して歩いて帰つた。
日支事変一周年、正午のサイレンと共に黙祷、あゝ……あゝ。
夕方、樹明君と敬君と同道して来庵、うれしかつた、酒とビフテキとの御馳走を頂戴する、内證内證!
七月八日[#「七月八日」に二重傍線] 雨――曇。
早すぎるけれど早く起きた、短夜がまだ長すぎる、年は
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